File 2: Rくん(入学時5歳、インタビュー時6歳)
――沖縄サドベリースクールに入る前の状況を教えてください
当時、息子は幼稚園の年中さんでしたが、毎日「幼稚園に行きたくない」と言って泣いていました。彼はのんびりマイペースで、好きなことは何時間でも集中してやるタイプだったので、幼稚園で先生の言うこと以外はしてはいけなかったり、時間が区切られたりしているのが本当に辛かったようです。「このままでは小学校で本人が苦労する」と思う一方で、私自身は彼のこういう性質好ましく思っていたので、どうしたら自信を失わずに成長していけるのか悩んでいました。
――沖縄サドベリースクールに入ったきっかけは?
サドベリースクールのことを知ったとき、「このスタイルなら息子は彼らしいまま成長できる」ととても嬉しく思いました。サドベリーの体験入学に行ったら、わずかな期間で目に見えて変化し、幸せそうで活動的になりました。その後、本人が入学を希望したので、思い切って横浜から沖縄に移住しました。
――大きな決断だったと思いますが、悩むことはありませんでしたか?
息子が通っていた幼稚園は、山を丸ごと使った自然豊かな園で、いとこたちも楽しく通っていたんですね。それで、最初に辞めることを決めるまでは、毎日眠れないほど悩みました。でも、その後はすべてがスムーズに進んでいき、気がついたら沖縄で暮らしていたという感じです(笑)。
――勉強について不安に思うことはありませんか?
いまはまだ文字にもあまり興味がないようで、ひらがなはだいたい読めるけれどカタカナはほとんど読めない、という状況ですが、不安は感じていません。むしろ、「外からの強制がなかったら人は何をどんな風に学んでいくんだろう」ということに興味があり、楽しく観察しています。先日、独自の方法で繰り上がりの計算をしているのを見たときには、「インド式計算術みたい!」とワクワクしました(笑)。
――サドベリースクールに通うメリットを教えてください。
いろいろありますが、いま一番感じているのは、年齢ミックスの素晴らしさです。年齢の違う子が対等な仲間として存在しているので、基本的に人を比較して優劣をつけるということがないんですね。「あの子はこれが得意、これは苦手」ということを、ただ事実として捉えていて、知っている子に教えてもらう、知らない子に教えてあげる、というのが年齢に関係なく自然に存在している。みんな本当に仲が良くて、まるで大家族のようだと思います。
――サドベリースクールへの入学を検討している人へのメッセージをお願いします。
赤ちゃんのときには、みんなが個性的な存在として、成長速度の違いもそのまま受け止めてもらえますよね。それが、「この年齢からはみんな同じ速度で成長しましょう」となるのは、不自然な感じがしていました。本当にいろいろな個性の子どもたちがいる中で、あるひとつの教育スタイルに統一したら、それがなんであれ、合わない子は出てくるはず。そういう子どもたちが、自由に別の教育を選択できるようになるといいなぁと思います。
サドべリースクールも、まずは体験入学したうえで、子ども自身が入学するかどうかを決められたらと思います。もし、そのときは入学を希望しなかったとしても、教育には別の選択肢もあると知っていることは、その子の大きな支えになっていくと思います。
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